無農薬野菜について
無肥料自然栽培とは
化学・有機を問わず一切の肥料を施すことなくもちろん、化学農薬にも頼らずにただ大自然の調和から作物を生み出す栽培法です。
地球上のあらゆる環境条件において、木々や草花たちは人為的な栄養供給を受けずとも立派に生長しています。
この大いなる自然の姿に倣い、それぞれの作物に最も適した環境を農地のなかに再現することで農薬も肥料も要することなく、豊かな収穫が得られるのです。
数千年にわたる先人たちの智恵のもと、人と植物とが融合し種を受け継ぐことによって生まれた農産物は自然の恵みを一身に受け、生命力に溢れておりそのおいしさは、口にした人に驚きと喜びをもたらします。
昭和40 年代後半、「複合汚染」(有吉佐和子)、「沈黙の春」(レイチェル・カーソン)などの出版を機に、いわゆる有機栽 培や環境保全型農業の実践者が増え始めましたが、当時はそのような農家を「変わり者」として排除したり村八分にしたりす る地域も多く、差別や迫害の中で細々と灯が点される忍耐と試 練の時期が続きました。
時代は変わり、環境保護の視点からもより自然的な栽培法が 注目を浴びるようになり、2001年には有機JAS 法、2006年には有機農業推進法が制定されるにいたりました。いまや「有機」「オーガニック」「自然食」といった言葉はすっかり市民権を得て、最近ではトレンドの最先端扱いされることも増えています。
しかしながら、安全性を求めるがゆえの化学肥料を使用しない栽培においても、一部では肥料の多投入による弊害が指摘されています。ここでは、そうした問題点も踏まえながら、現時点でより永続的と考えられる無肥料自然栽培をご紹介したいと思います。
肥料を使わずに作物を育てると言うと、たいていの方が「そんな栽培で本当に人口に見合うだけの食糧を確保できるのか?」とういう疑問を投げかけてきます。結論からいえば、無肥料自然栽培が作り出す大地は永続的に豊かになっていくはずなので、十分な収量が確保できると考えられます。だからこそ、自給や農的暮らしといったレベルを超え、生業としての農業が成り立つ栽培法としてご紹介することができるのです。